2024/11/13 17:00
↑今回の訪問した国のヒント(って言っても答えはすでに表題に書いてますが..)リオデジャネイロのやつじゃない方
こんにちは、TAPROOT coffee roastersの田中です!
今回はコロンビアに引き続き、ヴァエドゥパル→ボゴタ→サンパウロと飛行機を乗り継いでさらに車で4時間弱のミナスジェライス州ポソス・デ・カルダスに本拠を置くBourbon
Specialty Coffee(以下、BSC)社を訪問し、ブラジルコーヒーの生産現場を深く探求することにしました。今回の目的は、ブレンドなどに使用しているバレイロ農園の視察、そして再生農業を実践するカショエラ・ダ・グラマ農園の革新的な取り組みを目の当たりにすることです。
まずは、TAPROOTの定番、クラシックブレンド等に使用されているファゼンダ・バレイロを訪れました。標高1,160mほどにあるこの農園は、1820年創業という長い歴史を持ちながら、サステイナビリティ プログラム、適正な農業慣行へのコミットメント、環境への配慮など常に革新的な取り組みを行っており、カップオブエクセレンスなど品評会でも受賞している農園です。ファゼンダ・バレイロでは多くの固有の動植物が保護されていて、イエローブルボン種を中心とした多様な品種が栽培され、各品種が持つ個性的な風味を引き出すため、丁寧な精製をしていることにいつも感心します。訪れるとラボで美味しいコーヒーをご馳走になれることもプラスポイントです。(笑)
次に訪れたのは、ポソスから州をまたいだサンパウロ州にあるカショエラ・ダ・グラマ農園です。この農園では先ず、アララと呼ばれる品種を栽培している圃場を視察しました。この圃場には灌漑設備が導入されており、訪問時にブラジルで問題となっていた干ばつにも負けず、葉っぱが青々としていました。他の圃場との違いは歴然で、灌漑設備の有効性を目の当たりにすることができました。またこの農園ではRegenerative Agriculture(再生農業)を積極的に導入し、持続可能なコーヒー栽培に取り組んでおり、標高1200mほどの圃場では、カバープランツが植えられ、土壌の保全や生物多様性の回復に貢献していました。これらの取り組みは、単にコーヒーの品質向上だけでなく、環境保全にもつながっていることを実感しました。
BSC社では、22種類のコーヒーをカッピング行い、その中で特に印象に残ったのは昨年特に何も感じなかったエスピリトサント産のマイクロロットです。今回試飲したところ、他のロットとは明らかに違う素晴らしい風味を持っていました。ミナスジェライス州よりも収穫が遅いエスピリトサント産の新豆は、11月に収穫されるため、今後のシングルオリジンとしてご紹介するに値するか新豆サンプルを評価して決めていきます。
ポソス・デ・カルダスにあるBSC社のドライミル倉庫は、いつもその規模に圧倒されます。無数のコーヒー豆が保管されており、ブラジルが世界最大のコーヒー生産国であることを改めて(改めなくてもなんですが)実感しました。また、ここではマイクロロット用の精製ラインが新設されていることに感銘を受けました。これは、スペシャルティコーヒーに対する需要の高まりに応え、より高品質なコーヒー豆を生産するための取り組みの表れだと感じました。
昨年に引き続き今年で2回目のブラジル出張を通じて、よりブラジルのコーヒー産業の奥深さを知ることができたと思います。伝統と革新が融合し、持続可能なコーヒー生産に取り組む生産者の方々との出会いは、私にとって大きな刺激となりました。
帰国後、今回の経験を活かし、TAPROOT coffee roastersのコーヒーラインナップをさらに充実させていきます。特に、エスピリトサント産の新豆は、シングルオリジンとしてぜひご紹介したいと考えています。
ブラジルの大地で育まれたコーヒーを、皆様にも味わっていただけたら幸いです。
って話。