2024/10/28 12:56
こんにちは、TAPROOT coffee roastersの田中です!
今回から8月に行ってきました南米産地出張について書いていこうと思います。
初めてのコロンビア産地出張だったのでワクワクでしたのでそう苦ではなかったですが…いつもながら札幌から4回もフライトを乗り継ぎ、ようやくたどり着いたその地で、私を待ち受けていたのは、期待をはるかに超えるコーヒーの世界でした。
訪れたのはコロンビア キンディオにあるCofinetという生産者兼エクスポーター。Cofinetはコーヒー農家4代目のカルロス&フェリペ兄弟によって設立され、精力的に活動しています。保有する農園の内のひとつラ・プラデラ農園内にある事務所と加工場に到着した初日、雨除け屋根付きの大きな4つのパティオとたくさんの従業員がコーヒーチェリーのハンドピックに勤しんでいる光景が印象的で、「これ絶対良い生産者じゃないかぁ!?」っていう第一印象。
Cofinetのこだわりは、どこまでも徹底していました。精製加工に使用した水は、ベチバー(香水とかでも良く使われる草)を使った再生処理など、何種類もの濾過槽を通すことで、飲めるくらいにまで透明になるそうです。コーヒーの品質だけではなく環境への配慮にも並々ならぬ情熱を感じました。
標高1,900メートル付近にあるハルディネス・デル・エデン(エデンの園)では、ゲイシャ種やシドラ種、パパヨ種など、希少な品種が栽培されていました。豊かな土壌と、昼夜の寒暖差が、これらのコーヒー豆に複雑で繊細な風味を与えているそうです。「エデンの園を歩いていると、まるで緑の絨毯の上を歩いているような・・・となる訳はなく、標高1,800から2,000まで急斜面の上る名前にそぐわない環境でした(笑)。
Cofinetにはキッチンがあって専属のコックさんが調理するランチを従業員が食べられるようになっているのも他の産地にはない珍しいと思います。その中でも今回のコロンビア出張で一番のお気に入り料理は”アヒヤコ”というジャガイモと鶏肉(鶏とは限らないっぽい)のスープ。シンプルだけど海外の地で疲れた体に沁みる系のスープ。日本帰国後もあの味を忘れられずに自分で作ってみたほど(パクチーを入れるととりあえずそれっぽくなる不思議)。ランチの後、加工場兼事務所の庭ではバレーボールを楽しむ姿が見られ、仕事も遊びも全力で楽しむ、従業員がとても印象的でした。
カッピング評価は、全部で4セッション行われました。ロースペシャルティからトップロットまで、様々なコーヒーを味わうことができ、コーヒーの奥深さを改めて実感しました。特に印象に残ったのは、カルロスが「コ・ファーメンテッド」と呼ぶ、インフューズドコーヒーです。その中のひとつにはパッションフルーツと一緒に発酵させたものがあり、一口飲んだ瞬間、口の中に広がるのは、まるでバラの香りがするような複雑で奥深い味わいがありました。トロピカル系や柑橘系の爽やかさと、花の香りが鼻腔をくすぐり、余韻は長く続く。その繊細な風味に、私はすっかり魅了されたので皆様にもご紹介できる日を楽しみにしております。
初めてコロンビア出張がCofinetで本当に良かったなーと思うほど良い体験をしたと思いますし、私にとって忘れられない貴重な時間となりました。美味しいコーヒーを追求する情熱、環境への配慮、そして人々の笑顔。これらのすべてが、Cofinetという農園を特別な場所にしていました。
やはりコロンビアは昔から市場でも『コロンビアマイルド』として高値で取引をされ、ウォッシュトアラビカ生産量1位の国でもあるように、コーヒーの品質の高さはもちろんのこと生産者のレベル(レベルって?という細かい話は置いといて)の高さを感じた旅でした。
って話。